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TRAFST Vol.1 No.1 p. 56

Topic:

Editorial Essay

Kaoru HIROTA

Published:
January 1, 1970
Abstract

 横断型基幹科学技術研究団体連合(以下横幹連合)の会誌第 1 号を,紆余曲折いろいろあったのですが,ようやく皆様にお届けすることが出来,会誌編集委員会一同ほっとしております.会誌発行の話は,約 4 年ほど前だったと思いますが,横幹連合が特定非営利活動法人になる前の任意団体の頃からありました.縦型の確立された従来からの多数の学問分野を横から見て横幹連合を創るのであるから,この革新的なコンセプトを国内は言うに及ばず世界に向かって普及させるためにも,連合の「顔」として会誌を発行することには重要な意義がある.
この主張に異議を唱える人はなく,順調にいくかに思われました.
 しかし,では,具体的にどんな内容で,どんな書式体裁で,どの程度の予算規模で…などという話になると,とたんに問題が出てまいります.
 内容:横幹という新しいコンセプトに基づく解説や原著論文を多数盛り込もう.→賛成,では「横幹」の正しい定義は?あるいは「横幹」らしさとは?→沈黙あるいは議論百出→収斂しない?できない?→いい加減なものを出して恥をかくくらいならむしろ出さない方が良いのでは?
 書式体裁:世界に向かって発信するのであれば,原著論文や解説を英文中心で出したら?→日本語ですらはっきりさせにくいものを英語で書けるのか?また横幹と言うコンセプトにのっとった原著論文であるか否かの査読を,誰がするのか(誰が出来るのか?)→やはり会誌を出すのは時期尚早では?
予算:会誌を発行するのにどのくらいの予算を見れば
よいのか?→ピンキリではあるが最低でも??万円は?→横幹はそれを永続的に維持できるのか?→止めた方が無難では?
 始めは元気でも,難問山積,すぐに意気消沈,しかしここで引き下がっては
ということで,「最初から完璧をねらわなくても,出来る範囲内で最善のものを出せばよいのでは?」と頑張り,本号の出版に漕ぎ着けました.
つまり,ここしばらくの間は薄めのものを年 2 回(それでも,本誌出版の富士技術出版(株)には,かなり無理なお願いをしています.改めて深謝いたします.),解説を中心に,日本語でコンセプトをより明確に確立していく,という方針で,ご覧いただいている会誌「横幹」が誕生したわけです.
 本誌をご覧になれば,不備な点や改善の余地もいろいろあると思います.建設的意見を会誌編集委員会にいただいて,会誌「横幹」をともに育てていただければ望外の喜びです.
 会誌編集委員会 廣田 薫(東京工業大学)

Cite this article as:
K. HIROTA, “Editorial Essay,” , Vol.1, No.1, p. 56, 2015.
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Last updated on Mar. 29, 2023